今を生きる

公開日 2007年01月07日

 「格差社会」が最近のキーワードとなっている。経済的な勝ち組対負け組が社会における階層性を構成する段階になったということであろう。かって「総中流意識」がキーワードであったこの日本の中で、お年寄りやの若者の一部の社会的弱者といわれる人々の中に信じられないほどの経済的貧困層が増え続けている現実の前に、「美しい国造り」のスローガンが、空しく響く。経済界を席捲している「グローバル主義」の主張にも危惧を覚える。「地方の時代」「地方分権の時代」という言葉も、「地方切捨て」につながるのではないかと憂えるのはわたしだけではないと思う。

 「乏しからざるを憂えず、斉しからざるを憂う」という先人の言葉がある。このままの時代が続くようであれば、経済的貧困層の階層化につながる恐れもある。教育の分野においてもそうだ。目先の現象だけに捉われず、長期的な目的意識と視点をもつ制度の改革が必要なのだ。教育はひと造りなのである。

 勉強する一部の生徒と勉強しない大部分の生徒が存在する以上、大きな学力差が存在するのも当然の現象であろう。しかし、その学力差は生徒の学習能力、そのものと同一ではないのだ。
学習する喜び、学ぶことの楽しさを実感させることが必要だ。

 わたしは、10年間ほど、看護医療予備校の経営に携わってきている。医歯薬系に進む生徒と異なり、看護医療系に進む生徒の方が、中学・高校と学習に力を入れなかったと生徒の割合が多い。
だが、目的をもって勉強しだすと、見違えるように成績が急上昇する生徒の方が多くなるのだ。
そして、彼ら生徒たちに最適な教材と学習法を提供するのがわたしの主たる仕事なのだ。

 「必ず伸びる、必ず伸ばす」合格の2文字はその彼方にある。