伊勢朝熊山の初日の出

公開日 2007年01月03日

 朝熊山と書いて「あさまやま」と読む。地名や人名はそれぞれに由緒来歴があるので難しい。新春に恒例の伊勢参りに出かけた。

 伊勢スカイラインの朝熊山頂から何年ぶりかの初日の出を見ることができた。1年365日、太陽は変わらず東の空から昇り、西の空に沈んでゆく。人の生まれる遥かな悠久のときから、太陽は同じ運動を続けてきたのである。人もまた太陽の恵みを受け、生きてきた。

 伊勢神宮のご祭神は天照皇大神である。いわば太陽の象徴が神格化された天皇家の祖神である。伊勢は初日の出のご来光を迎えるには最適の地なのだ。

 日本人は自然とともに生きてきた。本来農耕民族である日本人は自然と一体化することによって生活してきたのだ。自然に抱かれてこの日本の風土の中で生かされてと言っても過言ではない。農耕は究極のバイオサイエンスなのである。季節とともに作物を植え、天地の恵みを受け、収穫の時を迎える。

 1年のときを経て、衰えた太陽が再生のときを迎える。それが、正月元旦の初日の出なのだ。雲上の真っ赤な太陽は新たな生命の息吹に溢れている。